第15話 ファミリーエディション

ティキはサウザに勝利した。

止血したが出血量が多かったため、
地面に座り込んだまま、立ち上がれない。

みんながティキとシルクの所に歩み寄ってきた。
サクセイアがティキの右肩の傷口に薬品を塗り包帯を巻いた。
そして、ティキに肩を貸した。

ヴァーリックが歩み寄ってきて。

「あの、まず、お礼を言わせてくれ」
「助けてくれて、ありがとう」
「本当に感謝するよ」
「君がいなければ、みんな殺されていた」

ヴァーリックは先ほどの鋭い目つきとは打って変わって、
穏やかな表情になっていた。

「あ、いや。そこまでじゃないけれど」

彼女はティキに握手を求めた。
ティキは少し照れた顔で、握手に応じた。

「で.…」
「2人はどういう仲なの?」

ヴァーリックはシルクに聞いた。

「あの…彼、私のボーイフレンド」
シルクは顔をあかくして、恥ずかしそうに言った。
ティキも微妙に恥ずかしかった。

「いろいろ、隠していてごめん」
「彼、元サラマンダーのメンバーだってこと、すごく気にしていて」
「身分を隠していたの」
「剣士だってことも…」

「元サラマンダーのメンバー?」

みんなはビックリしていた。
しかし、怖がっている様子はなかった。

「そうよ、勇者パーティだったのよ」

「すごいな!!」
「そうだったのか!」
「どおりで強いわけだよな!」

ティキには想定外だった。
逆に喜んでくれたことに。
初めてシルクとあった時と同じだった。

「そうよ!彼、最強なのよ」
「どんな強い相手にだって、絶対に勝ってくれる!」
「うちのエースよ」
シルクはティキの腕に抱きついて、自慢気に言った。

なーんだ。
あまり、こそこそ隠す必要はなかった…
ティキは、ちょっと後悔した。

「なるほど、そういうことだったのか…」
「本当に気を使わせて、すまない」

「でも、こうやって、みんなを助けてくれたし」
「君が命の恩人であることに違いない」

「本当にうちに来てくれて感謝する」
「歓迎するよ」
「今日から君は家族だ」

「え?」
ティキは今の言葉に何か、温かみのある感覚を覚えた。

「そうよ」
「あなたは家族なのよ」

「おかえりなさい、ティキ」
シルクはティキに笑顔で言った。

「…」
今までにない温もりが湧き上がってくる。
自分を受け入れてくれる場所があるなんて、初めてのことだった。

「まあ、こういうギルドって家族みたいな所が多いからな」
サクセイアがティキの背中をポンと叩いて、大きな口でニッと笑った。

「…」

ティキはみんなの言葉に感動し、声が出なかった。
目から熱いものが込み上げくる。
涙が止まらなかった。

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